POPOのナノテク・バイオばなし

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きれい過ぎる水

 

2002/04/29 10:20


by POPO 2002/04/29
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 ゴールデンウィークに入ってちょっと落ち着きました。
 先週は職場で、ちょっとした事件がありました。「水がきれい過ぎて大腸菌が生えない」というのです。

 大腸菌は非常に便利な道具として使われています。特に蛋白質を作る装置として利用できることのメリットが大きいです。一昔前は、ある蛋白質を欲しいと思ったら、自然界から採ってくるしかありませんでした。このため、大量に生き物を採ってきて(あるいは殺して)、すりつぶしたりろ過したり、といったことを繰り返して微量な蛋白質を精製するということでした。今でもそういう手順を踏む場合も多々ありますが、遺伝子操作をして簡単に大量の蛋白質を作ることもできるようになってきました。

 簡単に言えば、ある蛋白質を欲しいと思ったら、その遺伝子を大腸菌に組み込んでしまうのです。そして大腸菌を培養すれば、大腸菌がその蛋白質を作ってくれますので、また大腸菌は短時間でどんどん増えますから、蛋白質が大量に得られるというわけです。
 というわけで、バイオ系の研究開発の現場では「大腸菌を飼う」、というのがほぼ日課のようになっています。危ないことはなくて、無毒化した大腸菌を使えば、万一飲み込んでも大丈夫、ということです。
 
 ところが、先週は大腸菌が生えない、という事件があったわけです。なにか薬品の調合を間違えたかというと、そうではないのです。どうも、「水がきれい過ぎる」というのが原因らしいのです。

 4月からの新企画のプロジェクトで、設備なども新品が揃っているラボで、前に取り上げました「ミリポア」の純水製造装置も、最新機種が入っています。3月まで使っていたものとはデザインも一新されています。どうも、この純水が非常にきれいで、イオンなどが完全に除かれているため、大腸菌を培養してもなかなか増えない、ということのようです(本当でしょうかね。やっている本人がそう言っているのですが、それが正しいかどうか確かめるのは困難です)。そこで、わざわざイオンを後から加えて培養する、という対処をしてみることになりました。連休中も培養しているようですが、連休明けにはどういう結果になっているでしょうか。


 投資に関連させて話をしますと、昨年ですが、大腸菌を使わないで蛋白質の受託生産をするというベンチャー企業「ポストゲノム研究所」が登場しています。
ポストゲノム研究所

 ある蛋白質を欲しいと思ったら、その遺伝子をほんの少しこの会社に送ると、20万円くらい(非営利なら3万円)で蛋白質をつくってくれるというのです。東大で開発された「ピュアシステム」という手法を使うというもので、何でもできるというわけではないようですが、非常に特徴のある会社だと思います。今のところ未公開なのですぐ投資するのは難しいですが、IPO情報など要注目であると考えます。

 

<UP>
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